『THE WORD』♯5 第1章 Ticket to ride その4
「THE WORD」 著者:オカレノン/okalennon
第1章 Ticket to ride その4
夜11時、涼介は自宅の賃貸マンションに帰宅した。
部屋に入るな
そしてリビングのソフ
半分程飲んで缶をテーブルに置いた。
部下である船木のミスは何とか無事に取引先と話をつけることができた。
涼介を買ってく
交渉は涼介の得意とする分野だった。この秀でた能力を会社が
缶ビールを飲み干すと涼介はそのままソファにもたれ掛かった。
す
明日から3連休というのが救いではあった。連休といっても特に用事は入れてなかった。
友美はこの3連休どうするのだろうか?
そんな事を考えながら涼介は睡気に勝てずそのまま眠りへと落ちて
特に何もしないまま連休も2日目の夕方に差し掛かっていた。
涼介
その時、スマホのバイブ音が鳴った。
手に取ってみると真吾からの電話だった。
真吾は高校時代からの親友で2年前に結婚していた。
その結婚式の二次会で友
涼介は少し待って電話に出た。
「もしもし。」
「お、涼介、久しぶりだな。今大丈夫か?」
「ああ、どうしたんだ?。」
「お前さ、友美ちゃんとうまくいってないのか?」
いきなり友美の名が出て涼介は少し沈黙した。
嫁さんから友美のことを聞いて電話をしてきたなと直ぐに察した。
「・・・2ヶ月くらい会ってないかな。別に仲が悪くなったわけじゃない。仕事が忙しいんだ。」
「涼介、仕事が忙しいのはお互い様じゃないのか?会いたくない理由があるのか?」
会いたくない理由か・・・。そんなの深く考えたこともなかった。
「ないよそんなの。ただなんとなくだ。」
「友美ちゃん、仕事のことでもう半年以上悩んでるの知っているのか?。」
「・・・。」
それは知らなかった。いや、知ろうとしなかったのだ。
主任に昇格してからずっと自分のことで精一杯で友美のことを知ろうとしていなかった。
「あのな涼介、お前は真面目でいい奴だし仕事も頑張っているのは親友の俺がよく知ってる。でもな友美ちゃんもお前と同じ位真面目だしとっても頑張っていると思う。もっと話を聞いてやれよ。相談に乗ってやれよ。俺が言いたいのはそれだけだ。すまなかったな急に変な電話しちまって。じゃあな。」
真吾はそう言うと一方的に電話を切ってしまった。
「・・・・。」
涼介は心の中で止まっていた何かが動くのをゆっくり感じていた。
それが何なのかははっきりわからない。
でもそれはとても、とても温かいものだった。
つづく